病院での「治療」は「元通りになること」ではない!
介護施設を利用しなければいけない状況としてよくあるのが、「病院に入院してしばらく安静にしていたら、筋力が落ちて以前通りの生活が送れなくなってしまった・・・」というパターンだと思います。
特に転倒による腰椎圧迫骨折や大腿骨骨折、脳梗塞やがんなどはこれからの生活を一変させてしまうような大きなケガ・病気と言えるでしょう。以前通りの生活を送るにはかなりの身体的・精神的努力と時間とお金を要するでしょう。場合によっては長期戦を視野に入れなければなりません。
さて、怪我・病気と向き合い始めた患者さんとご家族ですが、ここで悲しい現実がぶち当たります。
それは、病院はあなたが考えているであろう『元通り』まで入院させてくれるわけではないということです。
実は現在の診療報酬制度において、高齢者の長期療養は病院にとって全くメリットのないものとなっています。(高齢者の入院90日ルールとか言われています。詳しくはこちらを参考にしてください。)
そのため、病院から「治療の終了」を理由に退院の提案をしてくることがあります。
ここでいくら入院延長を訴えても覆ることは難しいでしょう。病院からすれば「病院の役割とはケガや病気を治すこと」であり、「身体機能の低下による生活支援については治療ではなく介護の領分なので病院ですることではない」という考えなのです。
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