支援の終着点で見極めろ!介護保険施設の選び方①

介護保険

施設サービスを考えるタイミング ~家族の役割とは~

「病院受診をしたけど入院するほどではなかった。」とか、「入院したけど、治療が終わって退院の話がでた…」などの医療面の問題ではなく、生活支援の問題となったときが施設サービスを検討するタイミングといえます。これらの状況が最も金銭的、家族の介護力的に負担が増える状況ですからね。

この時施設を検討するかどうか判断する基準は人それぞれなのですが、この点には注意してください。
それは、

「介護者が疲弊するような介護はするべきではない」です。

例えば、夫婦二人暮らしで子供が別居というようなご家庭で夫がけがや病気で要介護状態となったとします。妻が献身的に介護を続けたが、その結果、介護疲れで共倒れになったとしましょう。そうなると子供家族からすると両親を一気に介護することとなります。こうなれば子供の介護負担は一気に倍になり、余裕なんかありません。下手すれば子供の家庭も崩壊しかねません。誰も幸せにならなりません。

介護保険が始まり、“介護”という行為がサービス化した時点で「親や配偶者の介護は家族がすべき」という考え方は過去のものとなりました。「家族で看てあげたい」という思いは立派ですし尊いものとは思いますが、その先にあるものが家族全体を巻き込んだ家庭崩壊であるならば、それは要介護者のためではなく、介護者のエゴイズムであることを理解しないといけません。

では、家族がすべきこととは何なのでしょうか。それは「家族の絆」だと私は思います。

施設サービスを利用する際、利用者自身が望んでくるケースは極端に少ないです。施設に来るしか選択肢がなかったという状況がほとんどです。そんな状況で利用者が思う感情のほとんどは「家族から見放された」とか「家族に捨てられた」というものが非常に多いです。

施設サービスのスタッフは安全な介護を提供することに注力しますが、利用者自身が抱えるネガティブな感情に対してできることは非常に少ないです。メンタルケアには信頼関係が重要だからです。
来たばかりの利用者からすれば、信頼関係が構築できていないスタッフからねぎらいの言葉を言われても、利用にあたっての理由を説明されても全く響きません。家族からの「貴方を案じています」という思いこそが最も本人に響きますし、家族の言葉や姿勢を伺い見ることができれば、スタッフもより一層支援のモチベーションが上がりパフォーマンスが上がると思います。

だいぶ話が逸れましたが、施設サービス利用のタイミングについての結論です。
本人には申し訳ないですが、「タイミングの判断をするのは要介護者となった本人ではなく支援者が判断するほうが良い」となります。

理由は本人主導では感情的になることが多くなるからです。先程も言ったように最悪のパターンは「介護者が疲弊して支援体制が崩壊すること」です。本人にとってつらい選択になるとしても、家族・ケアマネージャーが理性的に中長期的視点を持って支援計画を立てることが必要です。

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