通所系サービスを使う上で必要なこととは?

介護保険

デイはスタートが難しい。利用するための「理由」と「目標」が大切!

デイサービス(通所介護)やデイケア(通所リハビリ)は介護保険サービスで最も使われやすいサービスではないでしょうか。それゆえに事業所も多く、都市部だと利用者の取り合いになっているところもある印象です。

事業所ごとにそれぞれの特色を出しており、どこに行ったらよいのか迷うこともあるでしょう。
でも、もし迷っている方が利用者本人ではなくご家族である場合はちょっと待っていただきたい。

それ、本当に本人は利用したいんですか?

本人に使う意思がないのに家族とケアマネージャーで話を進めることがときどきみられます。
「本人は認知症で言っても忘れるから…」とか「利用を続ければ楽しくなるから…」など本人への説明が不十分なまま、なし崩し的に進めて利用する。

本人に利用する意思がなければ、上手くいくはずがありません。

たまに上手くいくケースもあると思いますが、それは事業所のスタッフがうまく対応したからだと思います。

利用する理由や目標をきちんと本人に認識してもらいましょう。それを伝えるのはケアマネージャーだけに任せず、家族も必ず協力しましょう。本人の健康的な生活を望む家族の姿が一番本人のやる気に繋がるはずなので。

ショートステイはデイとはわけが違う!ネガティブスタートであることに気をつけろ!

デイサービスやデイケアはスタートさせることが難しいですが、スタートしてしまえば意外と続けることはできてしまいます。これはデイサービスやデイケアが「日帰り」のサービスであり、エンターテイメント性が高い「娯楽」や「健康維持」という目的なサービスだからと私は考えています。

利用者本人としてもサークル活動やスポーツジムに行くようなポジティブなイメージを持ちやすく、「続けても良いかな」と好感が持ちやすいからです。

ところがショートステイサービスはそうはいきません。なぜなら、ショートステイは「泊まり」のサービスで、目的が「保養」や「介護負担軽減」といった本人からしたら使う必要のないものだからです。

ショートステイを利用する理由の大半は「家族(介護者)が何らかの理由で介護できない状況」になるためで、スタートの時点ですでにネガティブな状況です。本人としては使いたくはないのに使わないといけない・・・気持ちはすでにマイナスからのスタートです。楽しい利用になるはずがありません。

また、デイサービスに慣れている人がショートステイを利用すると、「夕方ごろになるといつもは家に帰れるのに今回は帰れない・・・なんで?」ってなることが多いです。
本人が「帰りたい」と訴えても、職員は泊まりなことを知っているので「わかりました。帰りましょう!」なんて言えるはずもなく、滞在の理由を説明して引き止める・・・それがストレスとなって余計に不安になる・・・楽しくなる要素が見えません。

そして、利用が終了した利用者はショートステイが嫌な思いをした場所と認識して、次の利用の時にさらに強い拒否反応を示します。・・・行きたくなくなるのもわかる気がします。

ショートステイを利用する際、利用者本人にとってはネガティブな感情を持っているサービスであることを知ったうえで、下記の点を最低限抑えていきましょう。

  • 「なぜショートステイを利用するのか」を明確にする。
  • 家族と施設がすぐに連絡を取れる手段をしっかりと共有しておく。
  • なるべく利用者の介護度に近い方がいる施設を選ぶ。
  • 暇つぶしとなる趣味のものを持っていく。

認知症のある方は利用する理由を話しても忘れてしまう可能性があります。その場合は口頭だけでなく手紙なども持たせるとよいでしょう。
そして連絡先もしっかりと共有しておくことが重要です。本人が帰りたいと思ったときに職員が滞在の理由を説明したところで、「第三者が何言ってんだ?」って思われるだけですし、ストレスが溜まるだけ。家族が答えてあげることで安心することもあります。

後は本人の要介護度に近しい方が多い施設が望ましいです。要介護1のような自立度の方が重介護のご利用者が多い特別養護老人ホームのショートステイを使うと、周りの利用者となかなか会話もできず、馴染みにくくなります。

それから、ショートステイはデイと比べて圧倒的に暇な時間が多いです。施設によってはレクリエーションを用意しているところもありますが、基本的に娯楽が少ないです。「保養」が目的のサービスなのでそこまで手が回らないんですよね・・・ぶっちゃけ暇を持て余している人、多いんです。

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