車いすに乗ってるから「要介護」になるわけじゃない!
最後に、これも結構勘違いされていることなのですが、
車いすに乗ってるからって要介護がつくとは限らないってことを知っといて下さい。
介護保険による支援の段階(要介護認定)は「自立から始まり、要支援(1~2)と要介護(1~5)の計8段階」となっています。
認定調査の項目(移動などの身体機能や更衣や入浴、排せつといった生活動作、そして記憶力や理解力、現在治療中の医療行為など)は決まっており、その内容から「介護に要する時間」を算出して段階分けするわけです。
前項にて「困っていることを伝えよう」と言ったのは、困っていることが「介護に要する時間」に直結するからなんです。だから伝えないと結果に反映しないんですね。
ですがこの「困ったこと」、実は「車いすを使っている=困ったこと」にならないことがあります。
例えば、病院で認定調査を受けたとします。その際に『認定調査における移動・移乗の項目』で要介助と評価されるのはどちらだと思いますか?
- 車いす生活だが、ベッドやトイレへの移動は自分でできる人
- 杖を使って歩けるが、まだリハビリ途中で誰かか手を貸さないとコケてしまいそうな人
正解は「2.杖を使って歩けるが、手を貸さないとコケてしまいそうな人」です。
「え!?歩けるほうが元気そうじゃないか?」と思った方は先ほど話した支援段階の算定基準を思い出してください。
そう、「介護に要する時間」です。
つまりは車いすだろうが何だろうが、誰かの介助を要しない時点で「自立」と判断されてしまう可能性があります。
ちなみにこれは病院という支援者が近くにいて、かつバリアフリーな環境だからこその結果であって、これが自宅での調査になると結果が逆転することがあります。
(1の方は自宅だと車いすは使えず、結果として自力での移動は困難となります。ところが2の方は自宅だと病院よりも通路が狭くなり、もの伝いでの移動が可能となって結果的に自力で移動が可能になることがあるからです。)
以上のことから、認定調査は調査時の状況とその時の介護を要する時間を調査するものだということを理解しておきましょう。
要介護認定は「介護を要する時間」で評価される。調査を受ける環境によって結果が変わることを理解しよう!
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