大体の方が介護保険サービスの始め方を間違えている…
さて、記念すべき最初のお話は介護保険のことについて話そうかと思うのですが、まずは介護保険の基本についてお話ししたいと思います。
私は今でこそ介護施設の相談員をしておりますが、以前は地域の福祉相談窓口の相談員をしていたことがあります。
そこでは介護保険を初めて使うという方もたくさん来てたわけですが、だいたいの方がサービスを利用する本人ではなくご家族であり、「親にデイサービスへ行ってほしいから介護保険の申請がしたい」というような相談が多かったんです。
介護者の方の介護負担を軽減したいために介護保険を使う。よく聞く介護保険の使い方ですね。
この手の相談自体が間違っているとまでは言いたくないんですが・・・
この使い方をすると、だいたい上手くいきません。
なぜかというと、デイサービスを使ってほしい理由があるのは「家族」であって、
「利用する本人にはデイサービスを使う理由がないから」です。
介護保険は「家族の困ったことを解決してくれる」制度ではなく、「利用する方が自立した生活を送れるようになること」を助けるための制度なんですよね。このあたりを申請窓口で教えてくれるところがどのくらいあるのでしょうか。
もちろん、人によってはこの使い方でうまくいく人もいます。イヤイヤながら何度かいろんなサービスを転々として、徐々に慣れていったというケースもよく耳にしました。でもそれは行った先のデイサービスのスタッフが接客上手だったからであり、本人が本当に使いたかったのかは疑問が残ります。
先ほども言いましたが、
介護保険は利用する方が自立した生活を送れるように支援するための制度です。
デイサービスやホームヘルパーはその人が「こういう生活がしたい」という目標を実現させるための「ツール」でしかなく、「ツール」を使うことを目的にしてはいけないのです。
介護保険を使わなければならなくなった時、どうしても目先の困難を解決したいと思ってしまいがちです。ですが目先の困難ではなく、「この人が自立した生活を送るためにはこういう支援が必要だ」というあるべき生活像を強くイメージすることをおススメします。
私が相談に来た方のお父さんだったら、「なんでそんなとこに行かなあかんのじゃ!」って言うと思う。絶対に。
サービスありきの介護保険の利用はだいたい上手くいかない。
どう生活することがその人にとって「自立した生活」なのかをしっかりイメージしよう!
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